先週、新元号が「令和」になると発表がありました。「令和」の施行日は、新緑も眩しいGWまっ只中の2019年5月1日。新しい時代のスタートにぴったりの素晴らしい時期ですね。
そして、施行日の翌日5月2日は「八十八夜」。今年芽吹いたお茶(チャノキ)の新芽を、初めて収穫する時期でもあります。いよいよ年に一度の新茶シーズン到来!…ということで、今回はお茶に関するお話です。
コーヒーの味が産地によって違うように、同じく農産物である日本茶も産地によって味が違います。「ブルーマウンテン」や「ハワイコナ」のように、単一産地がそのまま銘柄(ブランド)名になるところもコーヒーと同じです。
歴史と伝統技術に裏打ちされた、品良い深い香味の京都府「宇治」。
力強い味で、気鋭の産地として近年お茶好きから注目されている鹿児島「知覧」。
蒸し時間が短く、昔ながらの茶葉本来の味と香りが楽しめる神奈川の浅蒸し「足柄」。
他にも「狭山」や「八女」、「加賀」など、日本茶の産地は意外と多く、中でも昔から茶処として有名なのが、「掛川」や「川根」などのブランドを有する静岡です。
富士山も有名な静岡県ですが、温暖な気候や豊かな自然を活かして育てられた名産がいっぱい。
うなぎ:生産量は鹿児島、愛知に次いで3位ですが、養殖の発祥は浜名湖といわれています。
わさび:日本の固有種であるわさびを、階段状のわさび田で清流を利用し、栽培しています。
みかん:温暖な気候を活かした柑橘類栽培も盛んで、三ケ日みかんはブランドみかんとして流通しています。
そして、茶処としても有名ですね。静岡でのおすすめ名所、観光地などで検索すると、富士山を望む広大な茶畑の風景がいくつも出てきます。
温暖な気候でありながら適度な寒暖差もあり、土地も広いことからお茶の栽培が行われていた静岡県。現在の静岡市にある駿府城を築城した徳川家康も大のお茶好きで、家康の没後も、御用茶として徳川幕府に献上されたということです。
それが大きく広がったのが幕末。
長く平和が続いた江戸時代から大政奉還~維新と続く大きな時代の流れの中で、武士たちの生活や人生もまた、大きく変わっていきました。藩や藩主に帰属してきた武士は、明治9年(1876年)に全国の華族や士族に対する家禄、賞典禄などを整理、廃止する「秩禄処分(ちつろくしょぶん)」が施行されると、その多くがたちまち生活に困窮してしまいます。そこで明治政府が行った救済政策が、家禄収入を失った士族に対して、事業資金を貸し付けたり、農工商への就業や北海道移住を奨励したりする「士族授産(しぞくじゅさん)」でした。
この「士族授産(しぞくじゅさん)」政策により、それまで山間部などで生産されていたお茶栽培を、広大な牧之原台地で刀を捨てた武士たちが開墾することになったそうです。
しかし、今でこそ一面に広がる茶畑で有名な牧之原台地ですが、当時は水を引くこともできない、地元の農民も見向きもしない荒地だったんだとか。
刀を鍬に持ち替えて、不毛の土地を開墾してお茶を植えた武士たち。慣れない畑作業は困難と試行錯誤続きで、さぞや大変だったことでしょう。こうして開墾を続け、苦労しながら茶畑の面積を拡大した結果、静岡県は現在、お茶の生産量国内第1位であり、茶処としても有名になっています。
富士山を望むあの雄大な茶畑の景色の裏には、こんな歴史があったのですね。意外でした。
他の産地でも秘話があるかもしれませんので、またの機会にご紹介できればと思います。
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