最近、おうち時間を楽しむ傾向として、海外の料理を自宅で簡単に作れるキットやレトルトパックなどがよく売れているそうです。例えば、台湾料理の魯肉飯(ルーローハン)や韓国料理の参鶏湯(サムゲタン)など、自宅でも海外を旅している気分になれるというのが魅力の一つです。
海外旅行に行きたくてもなかなか行けないこのご時世ですが、ちょっとでも海外旅行気分をおうちで味わっていただければと思い、今回は2019年に東欧諸国の旅で出会った、コーヒーにぴったりのとっておきスイーツを旅行の写真とともに紹介したいと思います。
<概要>
日時:2019年10月17日~23日(9日間)
訪れた国:ドイツ、オーストリア、チェコ、スロバキア、ハンガリー
■1・2日目
ドイツ フランクフルトに降り立った私は、まず空港のスーパーへ向かいました。現地のスーパーにはローカルな食品がたくさんあるので、自由行動の際は必ず立ち寄ることにしています。その後シャトルバスでホテルに向かい、ビュッフェスタイルの夕食と朝食を食べ、オーストリアのザルツブルグへ向かいました。
ザルツブルグと言えばサウンドオブミュージックの舞台やモーツァルトの出生地として有名ですが、旅により一層の感動を与えてくれるハルシュタット湖を紹介します。
ザルツブルグ(Salzburg)は「塩の城」という意味で、岩塩坑として現在も一部で採掘されているそうです。その湖の周りには、まるでおとぎ話に出てくるような小さく可愛らしい町が広がっています。青々とした空・山・湖のコントラストは、まるで次元違いの絶景で、世界遺産にも登録されています。岩塩坑ではトロッコに乗りながら見学できるアトラクション型ツアーもありますので、訪れた際はぜひ参加してみてくださいね。
■3日目
オーストリア ウィーンのホテルの朝食ビュッフェで面白いものを見つけました。
これはパンケーキメーカーのようで、ボタンを押すと自動で適量の生地がポタっとコンベアの上に落ち、それが機械の中に流れていき、1分ほど熱せられ、プレスされた後、写真のような小さな手のひらサイズのパンケーキが出来上がって出てきます。生地は厚手のクレープとパンケーキのようなもちっとした食感で、バターがほんのり感じられる味でとても美味しかったです。ちなみに1回のプッシュで2枚作られるのですが、手のひらサイズなのでおやつ感覚で食べられます。また、次々にぺろっと落ちてくる様はずっと見ていたくなるので、作り過ぎ注意です。
■4日目
オーストリアを後にし、ハンガリーのブダペストへ向かいました。その時はツアーで参加したのですが、乗務員さん曰く、ハンガリーは多様な文化が混在しているものの、ハンガリー人(マジャル人)が9割を占めており、日本同様に公用語が基本自国語のみで成り立っているそうです。
また、この時期のブダペストは紅葉が見ごろで、町の中心を流れるドナウ川を城跡や丘の上から眺める様はまさに絶景です。夜には、ドナウ川に架かる3本の鎖橋やブダ城・国旗議事堂など町全体がライトアップされ、ドナウ川をクルーズしながら「ドナウの真珠」を堪能することが出来ます。
■5日目
スロバキアと聞いて、皆さんは何を思い浮かべるでしょうか。実は「スロバキア」として独立してまだ30年も経っていないため、独立国としての歴史は浅く、チェコスロバキア国と認識している方も多いのではないかと思います。国土の3分の1が森林のスロバキアでは、休日になると隣国からハイキングやサイクリングにやってくる人が多いそうです。
スロバキアで有名な都市と言えば、ブラチスラヴァです。ブラチスラヴァの丘陵にあるブラチスラヴァ城からは古都の美しい街並みが一望でき、マリーアントワネットの母であるマリア・テレジアが生前愛した風景といわれています。
(ちなみにシャトルバスを担当してくださった方がスロバキア人だったのですが、温和で飾り気なく、とても気さくに話してくれる優しい方でした。)
スロバキアの後は、独立の片割れであるチェコ共和国へ向かいました。チェコ共和国の首都であるプラハは、ドイツ文化の影響受けながら古くから国際都市として栄え、現在も毎年多くの観光客がやってきます。実は世界一のビール大国として栄えるこの国では、至るところにビール工房や醸造所があります。中世の雰囲気を味わい尽くしたい方はぜひとも地ビールを飲んでみてください。
そして個人的に今回の旅で一番おいしかったと感じたスイーツがこちら。
これはチーズカスタードタルトのようなものです。(名称不明) 表面はデニッシュ生地に似ていますが、プレッツェルの中生地のようなもっちり感があり、比較的日本の惣菜パンの生地に近い食感です。内側のクリームはレモン風味が効いた、カスタードとチーズと固めのヨーグルトの間…という濃厚かつ爽やかな舌触りで、一見重たそうな見た目ですが、重すぎると感じることなく食後にもぺろりといけちゃうタルトでした。これは日本でも似たようなケーキがあるかなと思いますので、もし見つけたらプラハの街並みを想像しながら召し上がるのもいいかもしれませんね♪
■6日目
この日はドイツ ドレスデン・マイセンに行き、東ドイツの街並みを楽しみました。もともとドレスデンには1ヶ月ほど語学留学で滞在していたため、現地に訪れたのは2回目で、今回の旅の大きな目的でもありました。ドレスデンは、第二次世界大戦のときに町の半分以上が空襲による被害を受け、現代的な建物と改修工事が行われた歴史的建造物が混在している国内でも珍しい場所です。現在は、学生街としても有名な傍ら、ドイツ最古のクリスマスマーケット開催地として人気の観光地でもあり、広場の近くでは季節関係なくオーナメントショップが立ち並んでいるため、どのタイミングで訪れてもドイツの伝統に触れることが出来ます。
マイセンは、エルベ川湖畔にある小さな町で、特に白磁器で有名なマイセンファクトリーがあります。その周りには第二次世界大戦を逃れた旧市街の街並みが今もたたずみ、長閑かな雰囲気を感じることができます。
■7日目
プラハを出発して向かったのは、南ボヘミア州のチェスキークルムロフ。森に囲まれ小さな町であるがゆえに産業革命という時代から取り残された街並みは、現在「世界一美しい街」として評され、町全体が世界遺産となっています。また当時の財政難から壁面装飾の多くは絵で描かれており、見事なまでの絵画技術に「だまし絵の街」とも呼ばれています。
ここでぜひともご紹介したいのが、食べ歩きスイーツとして人気の「クルトシュ」です。
これは日本でいう大判焼きやたい焼きに近いイメージで、ハンガリー発祥のクリスマスやお祭りなどでは欠かせない伝統的なお菓子です。東欧の観光地では路面店で出店している店が多く、コーヒーとセットで食べ歩きしている人がたくさんいました。最近では穴の中にクリームやアイスをトッピングすることもできますが、個人的には、初めてクルトシュを召し上がる場合は、まずトッピング無しで、「プレーン」「シュガープレーン」や「シナモンシュガー」などを選ぶことをオススメします。
ちなみに、語学留学時代に初めてこれを食べた時、なんて美味しい食べ物なんだ!と感動し、今回の旅でも絶対食べると決めていた食べ物の一つです。(他は、グミ・ソーセージ・シリアル・黒ビールです。)
外側はビスケットスコーンに砂糖をまぶしたメロンパンの皮のような食感で、内側はふわっ&もちっとしたパン生地で、一度食べたらクセになる食べ応えたっぷりのやみつきスイーツです。
作り方は、発酵させた生地を鉄の太い棒に巻き付けて回転させながら周りをこんがり焼いていくというもので、なかなか家で再現することは難しいかもしれませんが、ネットで検索するといくつかレシピも出てくるので、自宅で作ってみたいと思った方はぜひ挑戦してみてください。
■8・9日目
帰国の飛行機に乗るまでの半日は、ドイツのミュンヘンを散策しました。ミュンヘンは日本からの直行便があるほか、欧州諸国へのアクセスの良さ、宮殿や美術館などの芸術文化、モダンな建築、欧州最大級のクリスマスマーケット開催地などなど、ドイツの中でも特に人気のある観光地です。ミュンヘンに関しては多くの旅レポートが存在するため今回は紹介を割愛しますが、ドイツに行ってみたいとお考えの方は、是非一度、ミュンヘンに降り立って散策してみるのもいいかもしれません。
いかがでしたでしょうか?微力ながら、自身の経験を基に各街の魅力やオススメをご紹介させていただきました。海外旅行にいけるのはいつになるのか、気になるところではありますが、皆様に少しでも旅気分を味わっていただけていればうれしく思います。