日本ではあまり実感がないかもしれませんが、紅茶は世界でいちばん飲まれているお茶です。最近、紅茶はただの嗜好品ではなく、美容と健康の面からも注目されていて、その魅力が見直されたり、新しいアレンジで違った楽しみ方が増えたりしています。
今回は、紅茶についてのちょっとした雑学を交えたランキングをいくつかご紹介したいと思います。
●紅茶生産量
1位:インド
2位:スリランカ
3位:ケニア
生産量の1位、2位については皆さんの予想通りだと思いますが、3位は意外だったのではないでしょうか。
「茶」の生産量の場合、1位は中国になりますが、中国では緑茶や中国茶の生産が主流です。
紅茶は中国が発祥の地と云われていて、元々は高地や山岳地帯の寒冷地において栽培されていましたが、1823年以降にインドのアッサムで新しい茶樹(アッサム種)が発見されたことにより、アジアの広い地域やアフリカなどでも栽培されるようになりました。
ケニアというとコーヒー生産国のイメージが強いと思いますが、実は紅茶の栽培に理想的な環境でもあるのです。広大な土地に豊富な雨量と日照量、年間を通して安定した気候が、
年間を通じて茶葉の収穫を可能にしています。
それでもなかなかケニア紅茶の名前を目にする機会が少ないのは、ほとんどがブレンドに使用されているからです。ケニアの紅茶はしっかりとした味わいがありますが、クセがなく飲みやすいため、ブレンドに重宝されているようです。
●紅茶輸出量:
1位:スリランカ
2位:ケニア
3位:インド
輸出量は生産量と比例しているわけではありません。
インドでは国内消費量が多いため、生産したほとんどが輸出されるスリランカ、ケニアが上位になります。
スリランカでは元々コーヒー生産が主流でしたが、サビ病によりコーヒーの木に被害が出たため、紅茶生産にシフトした経緯があります。スリランカ産の紅茶は、かつての地名である「セイロン紅茶」と 呼ばれ、面積は日本の1/5と小さな島国ですが、生産地の標高別に、ヌワラエリヤ・ウダプセワラ・ウバ・ディンブラ・キャンディ・ルフナ・サバラガムワの7種類の個性豊かな銘柄が楽しめます。
●一人当たりの紅茶消費量
1位:トルコ
2位:アイルランド
3位:イギリス
紅茶をよく嗜むといえばイギリス?チャイが有名なインド?
意外なところで、トルコが1位です。
毎食後や休憩中など、トルコの人にとって紅茶は欠かせない存在です。
私たちがイメージするチャイはミルクティーですが、トルコでは「紅茶=チャイ」で、濃いめに煮出した紅茶にお湯を足してお好みの濃さに調整し、砂糖をたっぷり入れて飲みます。ミルクを入れることはほぼないようです。そして茶器はマグカップではなく、小さく持ち手のないチューリップ型の耐熱ガラスで作られたチャイグラスを使用します。トルコでは常にチャイグラスを片手に紅茶を楽しんでいるので、一人当たりの消費量が世界一位になるというわけです。
この1年はいつもと違って、何かと窮屈さを感じることも多かったと思います。
紅茶に含まれている「テアニン」は旨み成分であるとともに、リラックス効果があるといわれています。
温かい紅茶の入ったマグで手を温めながらほっとひと息、香り高い湯気を感じながら、肩の力をぬいてみませんか。