日本全国には、その土地ならではの歴史や文化から生まれたさまざまな郷土料理があり、なかには地元以外の人が見聞きすると、びっくりするようなものもたくさんあるようです。その中におもしろい名前のお茶を見つけました。そのお茶に共通するのは、茶筅(ちゃせん)で泡立てて飲む“振茶(ふりちゃ)”という飲み方。抹茶ではなく番茶などを使用するのも特徴です。
今回はこのおもしろい名前のお茶をご紹介したいと思います。
■幻のお茶!?沖縄県のぶくぶく茶ぶくぶく茶は沖縄県の歴史あるお茶で、琉球王朝時代から飲まれていたと言われています。ぶくぶく茶は漢字で「福福茶」と書き、幸せを呼ぶお茶として沖縄県民に親しまれていて、誕生日や結婚式などの祝いごとの席で飲まれていたそうです。
しかし、戦争による物資不足やぶくぶく茶専用道具の消失のために、徐々に飲まれる機会が減って姿を消し、 一時は「幻のお茶」と呼ばれていたそうです。
このような歴史的背景をもつ、ぶくぶく茶。おもしろい名前の他にその見た目のインパクトもすごく、茶筅(ちゃせん)で泡立ち膨れ上がった様子は、皆さんの想像を超えると思います。茶碗の上にこんもり盛り上がった泡は、お茶というより、まるでかき氷やソフトクリーム!
■富山県朝日町のばたばた茶
次にご紹介するのは、富山県の朝日町のばたばた茶。昔から飲み継がれてきたお茶で、祝い事や仏事の際に飲まれていたそうです。
蒸した茶葉を1ヵ月ほどかけて発酵させた黒茶を、「五郎八(ごろはち)茶椀」と呼ばれる普通よりもやや大きめの飯茶碗に注ぎ、塩を少し入れて「夫婦茶筅」という2本合わせの茶筅で左右に“バタバタ”と動かしながら泡立てます。
泡立てることでまろやかな味となり、飲みやすくなるそうです。ばたばた茶は、山菜の煮物や漬物等を入れて食べることもあるそうで、朝日町では作業や家事の間の軽食としても親しまれているということです。
■不思議な音が語源の島根ぼてぼて茶最後は島根県出雲地方に伝わるぼてぼて茶です。ぼてぼて茶はどちらかというと、「お茶」というより「お茶漬け」のような、間食として定着しているようです。
ばたばた茶と同じく忙しい作業の合間の庶民の生活から発祥したお茶の飲み方と言われていて、泡立てたお茶の中に入れたごはんやおこわ、煮豆、高野豆腐や漬物などの具を、箸を使わずにお茶と一緒に流し込みます。ぼてぼて茶は、ばたばた茶と比べて具材が多いので、混ぜた時にもぼてぼてと重そうな音がしたのでしょうね。
旅の魅力のひとつとして、その土地でしか出会えない景色や食べ物があると思います。今回紹介したおもしろい名前のお茶もそうですね。現地に行った際には旅の思い出として飲んでみてはいかがでしょうか。地元の方と話すきっかけにもなり、思いがけない親交が生まれ、素敵な旅行になるかもしれませんよ。
富山県朝日町のは、中国のプーアル茶と同様な茶を作ってから茶をいれるというところに興味を覚え、飲んでいたいと思いました。どういう味なんでしょうかね? 興味が有ります。ブルックスで売っていただけませんかねぇ?!
Posted at 2017.04.14 by のんたん