コーヒーには色々な銘柄があり、味や香りも違います。では、なぜそのような違いができるのでしょう。
例えば、ジャマイカが産地で酸味・苦味が絶妙に調和した、優雅な香りと円熟した味わいの「ブルーマウンテン」。タンザニアが産地で強い酸味と甘い香りが特徴の「キリマンジャロ」。この2つの銘柄はどちらも有名なのでご存知の方も多いと思います。どちらも同じ種「アラビカ種」のコーヒーですが、じつは品種に違いがあります。
今回はこの「アラビカ種」というコーヒー豆の種にスポットを当てながら、あまり知られていない、コーヒーの種と銘柄の関係についてお話をしたいと思います。
■アラビカ種の特徴
「アラビカ種」という種はコーヒー豆の原種の一つで、「ロブスタ種」、「リベリカ種」とともに『コーヒー豆三大原種』と呼ばれています。「アラビカ種」はおもにレギュラーコーヒーに用いられています。その歴史は古く、世界のコーヒー豆の約7割を占めています。そのため、わたし達が口にするコーヒーは、ほとんどが「アラビカ種」ということになります。
「アラビカ種」に属するコーヒー品種の生豆は細長くて平べったいのが特徴で、三大原種の中では特に風味や香りに優れ、もっとも品質が良い品種です。ただ、乾燥や病害虫、霜害、特にコーヒーの木の大敵である「サビ病」に弱く、土壌も選びます。そのような弱点を克服するため品種改良が盛んに行われ、現在では70種を超える品種があるといわれています。
■アラビカ種の品種
さらに、アラビカ種から派生した品種はたくさんありますが、大きく分けると「ティピカ」、「ブルボン」に分類されます。
「ティピカ」はアラビカ種の中で最も古い品種で、そのルーツはジャワ島に求めることが出来ます。イエメンへ渡った後、世界各国に広まっていき、その過程で突然変異をして品種が増えていったと考えられています。「ティピカ」の銘柄としては「ブルーマウンテン」、「コナ」などがあります。どちらも有名ですよね。「ブルボン」はブルボン島で「ティピカ」が突然変異したことで生まれたと考えられています。銘柄は「サントス」、「キリマンジャロ」などがあります。
現在の品種の大半は、この2つの品種の突然変異か人工交配によりできていると言われています。ではなぜ、品種は同じなのに生産地によって銘柄が違うのでしょう?コーヒーの味や見た目は土壌、日照量、降雨パターン、風の吹き方、害虫、病気など、多くの要因で変わります。品種が同じでも環境によってコーヒーの特徴が変わります。そのため、銘柄にはそれぞれの地域や現地の名前がつけられているのです。もとは1つの品種でもたくさんの銘柄になるのは、生育環境によるものだったのですね。
コーヒーを選ぶときに銘柄だけでなく、産地にこだわって選んでみるのはどうでしょうか。もしかしたら、新しい自分好みのコーヒーが見つかるかもしれません。ぜひ試してみてください。
アラビカ種が土地で性質が変わることは聞いていましたが、ロブスタ種リベリカ種については初めてでした。もう少し詳しく知りたいです。
Posted at 2016.05.6 by さすらい狸
コーヒーは 『トラジャ』『キリマンジャロ』ばかり飲んでいますが 「種」については 不勉強だったので 面白く読ませてもらった。
ロブスタ種・リベリカ種についても同程度の解説をお願いします。
目前で 焙煎・ローストしてもらったものを 自分で点てて飲むのが美味しいと思う。
Posted at 2016.05.5 by Hay
アラビカ種以外の、ロブスタ種、リベリカ種の説明が抜けているのが残念ですね。
Posted at 2016.05.5 by 宮の輔