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2019
3/14

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一年がかりの鳩時計

まだ寒い雨の夕方。仕事場から急いで帰宅しようと歩道橋の上を早足であるいていると、眼下に木蓮の並木があることに気が付いた。
春の寒い雨に降られながら白いつぼみが大きく膨らんでいた。
一年前も同じ場所で同じ感情になったことを思い出し、一年の経過を思った。
自宅最寄り駅に着くと、小道を曲がったところで沈丁花の匂いが鼻腔をかすめた。
これもまた一年前に、こんなところに沈丁花かと小さな驚きを覚えたのを思い出す。
ふと、先日友人が習い事へ向かう時間を一向に覚えない子供のために鳩時計を買ったと話していたのを思い出した。私もまた一年がかりの鳩時計のもとで生きているのだなと実感した。

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投稿日:2019年3月14日  カテゴリー:Shifon's column
一年がかりの鳩時計」への1件のフィードバック

“一年がかりの鳩時計”と表現が素敵だなと思いました。
そして「そのもとで生きている」・・・すごく納得・共感してしまう自分がいました。

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