header

2019
6/6

ひとりで実家に帰省した。
高齢になりつつある両親に遠慮し、空港からはバスとタクシーで帰宅した。
いつも会話で埋め尽くされる空間も今回はひとり。大降りの雨も手伝って、なんだか傷心旅行みたいな旅路だった。
帰省すると写真を撮るのが楽しみ。
一人旅は誰もとがめる者がいないので翌日夕方、町が茜色になる時間を狙って車で写真を撮りに。植えられたばかりの稲と、深い緑の山に5月の夕陽が映る。
その中のあぜ道を学生服の少年が自転車をこいでいた。
ファインダー越しに確かに見たその少年の姿。目を閉じると遠い夢のように感じるのだから、旅ってやっぱり不思議な記憶。

 

今回をもちまして、shifonのぬけがけコラムは最終回となります。

7年にもの長きにわたりご拝読いただいた読者のみなさま、多くのアドバイスをくださったブルックスのご担当者のみなさまに心より感謝を申し上げます。

shifon 令和1年6月 初夏の横浜自宅にて

 

2019
5/30

秘境の地に限らず、ちょっとした家の撮影でもドローンを使った映像を目にすることが多くなった。上空写真の地図もインターネットで簡単に見ることができる。見たこともない我が家の俯瞰図。
車を運転していると小さな子ども連れ家族の笑顔の横顔が断片図として視界に入った。それは幸せのひな型の様に私には映ったが、日常は泣きじゃくったり暴れたりする子どもに一日の大半を費やしているのかもしれない。
同じく子育て中の私に母は「今が一番いいときやで」と何度となく繰り返すが、それは子育てを終えた母のドローン映像なのだと思う。
それでも心にドローンを持てば、自分の人生はなんてほほえましく尊いと気付けるかもしれない。

2019
5/23

ここ数年で多言語表記の看板をよく見かけるようになったけど、ちょっとした問題も起きているらしい。「退出口」と言いたいところに「出ていけ」と書かれていたりと意味は分かるがゆえに思わずクスっと笑ってしまうが、中国のSNSでは馬鹿にしているなどと批判の声もあるようです。
誤訳の原因は翻訳ソフトの鵜呑みだそう。長文だってソフトにインプットすればスラスラと外国語が出て来る。その翻訳があっているのかどうかはその言語堪能者にしかわからないのだから仕方がない。
海外へ行けば誤訳された日本語はいろんなところで目にする。言いたいことはわかるよね、とそれも一つの旅のエピソード。
外国人にもそうやって楽しんでもらえるように几帳面なフォントから手書き文字で対応する機転があってもいいかもしれない。

1 / 821234Last »