早朝5時にネット通販で4着服を買った日の昼間。そんなこと知る由もないアパレル勤務29歳の綺麗な女の子が私のところへやってきて一枚の写真を見せた。
45センチ角のボックスにぎっしりと書類のように収納された衣類の写真。あまりに唐突だったので思わず「なにこれ?」と質問してしまった。すると彼女は「これが私が持っているすべての服です」と。どうやら先日あまり必要のないと思った服を処分してしまったらしい。
もう増やすのやめたんです、と。
それから数週間、私の頭の中にはその見せられた写真の映像が離れない。
私のタンスの中にはもう10年も着ていない服が山ほどある。ひとつひとつに勝手に思い出をなすりつけて、思い出を整理することすら拒んでいた私を思い知る。
久しぶりにガツンとくる出来事だった。
数日後、思い切って数十着をリサイクルショップへ持っていった。