ちょっとした用があって、独身時代7年間住んでいた街で途中下車した。
最後に訪れてから10年も経ってない、何年かぶりだと思う。
それなのに、降りた瞬間心臓がバクバクした。駅前のハンバーガーショップはパンやさんに代わり、角にあったドラッグストアはそのままだった。
学生時代2年間アルバイトをした和食やさんもそのままだったけど、挨拶に行く勇気はなかった。
最近なかったそのバクバク感に浸っていたくて、少し歩いてみることにしたけど、裏腹に今日街を散歩してしまったら、また数年はここでそんな気持ちになれないかもという考えも頭をよぎる。
それでも勝手に足は街を歩いていた。
街のOG(old girl)は思い出シーンで胸を膨らませながら、夕方の街をふらふらと歩いた。