空港の両替所は高いだろうとまだ両替をしていなかったので、街の両替所へ立ち寄った。
両替を自分ですることも息子のミッションだったので、小さな小銭入れに詰め込んだ日本紙幣を取り出して窓口で両替を頼んだ。何か言葉を交わさなくても日本円を渡せばタイバーツに変換された。
住民も利用するボートに乗って下流へ移動。ぎゅうぎゅう詰めの船内、息を止めたくなるような排気ガス。近づく対岸にはまた多くの人がボートを待ち構えており、それを何度か繰り返して目的地へたどり着くのだが、人々の活気に感動し、私は思わず船上で涙がこみ上げる。
メガホンで怒りながらタイ語のアナウンスをしていたオバちゃんが、息子のザックを少し持ち上げいきなり崩れた笑顔をくれた。言葉はわからないが、おそらくがんばれよと言っていた。