子どもたちを連れてサーカスへ行ってきました。動物の臭いが苦手な4歳の娘はテンションが高かったにも関わらず、会場へ入る前からハンカチで口を押さえ帰りたいと泣き出しました。それをどうにかなだめ中へ入るとその途端、魔法にかかったように表情がかわりました。ミラーボールの回る暗がりのテント、派手なメイクに背筋の伸びたお兄さんやお姉さんがテキパキと準備を進めており、不思議な緊張感が子どもたちにも伝わったのでしょうか。
そして私の中に芽生えたのはノスタルジーな感覚でした。とはいうものの幼いころにサーカスなどという娯楽は私にはなく、きっと絵本や映画の中での体験を記憶に焼き付けてしまったのでしょう。私の中の偽装体験と子どもたちのとの現実が共有されたような時間でした。赤いテント、オーバーな道化、スポットライトが映す影。デジャブみたいにすでに記憶に持っていました。