紹介された人が、実は、道端で時々会う名前の知らない人だったとき、正式に挨拶をするというのも、少し違和感がある。
私は昨日、「ああ、よくお見かけする…」というフレーズを出し損じてしまい、はじめましてを貫いてしまった。
「いつもお見かけする…」というと、なんだかいつもジロジロ見ているみたいだし、昨日のタイミングでなくても挨拶するタイミングはあったはずなのに、今までしてこなかったのも恥ずかしい。
そうこうしている間に、はじめましての会話は進んでいき、既に知っていることにまで知らない振りをしなくてはいけなくなった。
でも実は相手も私と同じ気持ちだったのかもしれない。
だとしたら昨日の私たちの会話は市民女優ふたりのプリテンド(演技)だったのだ。