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2018
7/19

チケットを取った瞬間から旅は始まるというが、実家行きのチケットを取るとしばらく会っていない友達の顔や、きれいな海が浮かんでくる。
時期を同じくして西日本では豪雨が続いた。
幼いころ家族旅行で行った街が全く違う景色に変わり、テレビ画面からは聞き覚えのあるイントネーションが聞こえてきた。
ふるさとは、いつも遠くで私たちを待っているわけではない。
私たちが会いに行かなければいけないんだと思う。
不明者の方が少しでも早く見つかることを心よりお祈り申し上げます。

2018
7/12

徒歩3分。友人宅でのホームパーティーでの出来事。
お酒を飲んでみんながそれぞれにいい気分になったころ、インターホンが鳴りました。
モニター越しにいたのは宅配便の上田さん。街ですれちがっても挨拶をしてくれる彼はこの近辺住人の帰宅時間や、家族構成までも把握していてとても仕事が早い、と近所でも人気者です。
そんな上田さんを最近あまり見かけなくなっていて心配をしていたところでした。実はそれをみんなが思っていた様で、ゾロゾロとみんなで玄関へ向かい上田さんを出迎えました。
最近みかけないのは人手の足りないエリアを最近手伝っているからとのこと。
さすがに近所の人間関係まで把握していなかった上田さんはぞろぞろと見おぼえある顔に出迎えられて驚いた表情。
「運転は代行に頼んで、一杯飲んでいきましょうよ」
あるパパの誘いを爽やかにかわして、上田さんはまた次の配達へ向かいました。

2018
7/5

流行りの小説を読んだと母からメールが届いた。
「面白かったから今度送るね」と書いてあった。
読書が趣味の母は、時々家族の誰よりも早く流行りものを読み、感想文を送ってくる。
だけどわざわざ本を送るなんて、やっぱりちょっと変わってる。
期待して待っていたわけではないけれど、本屋でその本を見つけても立ち読みは我慢した。
するとしばらくして母の近所に住む姉からメールが来た。
「あの本読み終わったから今日送るね」と。
どうやら本は先に姉のところへ回っていたようだった。
最近忙しくて電話もろくにしていなかった娘と、本を共有することでコミュニケーションを取ろうとしていたことに今更ながらに気付かされた。
小説の内容も不器用な家族の話だった。