中国茶の茶器をご覧になったことはありますか?
日本で言えば急須と茶碗ですが、なんだか中国茶って小さい器がたくさんあるけど、あれって…?と、一度でもご覧になったことがある方なら感じるはず。同じお茶のはずなのに、お茶碗もずいぶん小さいし、手が出しにくい感じもしますよね。
しかし、中国茶の楽しみ方を知ればそれは簡単。広い中国各地でお茶が作られ無数に数があることは以前触れましたが、そのせいなのか、日本茶は主に味や色を楽しむのに対し、中国茶は香りを楽しむのも作法のひとつです。器が多いのは、「香りを楽しむための器」があるからです。
中国茶の淹れ方は茶芸といい、種類があるのですが、一番連想するあの茶器たちは「工夫茶器(くーふーちゃき)」といいます。
今回はその「工夫茶器」での淹れ方をご紹介します。主に青茶や黒茶を淹れるのに適しているとされています。
[1] 茶盤の上に器を乗せます。その後、茶器を温めます。
まず、茶壷にお湯を入れ、それを茶漏をセットした茶海に移します。
更に、そのお湯を茶杯、聞香杯に注ぎます。
[2] 茶荷に移した茶葉を、茶壷に入れます。茶壷の底が隠れるくらいが目安です。
[3] 茶壷にお湯を注ぎ、すぐに捨てます。
(洗茶・この工程は特に黒茶などの、熟成されたお茶の茶葉を洗うためのものです。
最近の茶葉では省略しても構いません。)
[4] 茶壷にお湯を注ぎます。溢れるように入れ、蓋をします。
更に熱湯を上からかけ、蒸します。
これは中と外との温度差を少なくし、茶葉を開きやすくし、渋みを出さないためです。
[5] 茶杯、聞香杯のお湯も茶壷の上からかけます。
[6] 青茶なら1分半前後で茶葉が開きお茶が抽出されます。
それを茶漏をセットした茶海に入れるのですが、茶壷を固定するように逆さにし、
そのまま出し切ります。渋みを出さないために、動かさないのがポイントです。
[7] 茶海から聞香杯に注ぎ分けます。
その後、茶杯を逆さにしそれぞれの聞香杯にかぶせてひっくり返し、
茶托におき、お出しします。
[8] 中国茶は何煎も美味しくいただけます。
少しずつお好みで、抽出時間を長くしてください。
[1] いただいたら、聞香杯をゆっくりと持ち上げ、茶杯に移します。
[2] 空になった聞香杯で香りを楽しみます。
[3] 茶杯でお茶をいただきます。
お茶の香りといってもピンと来ないかもしれません。が、感動するほどのアロマを感じます。そして、お茶によってまったく違うことも分かりますので、ぜひ試してみてください。