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2017
1/19

実家での冬休みを終えて東京へ戻ってきました。両親と元気でね、また夏ね、と繰り返しさよならをして別れました。座席に着き、あとは羽田までゆっくり本でも読もうと思っていったのですが、飛行機は離陸直後からいつもと様子が違いました。しばらくしてCAのアナウンスが入り、離陸直後にエンジンの不具合が見つかりもと来た空港に引き返すとのこと。
乗客の誰もが不安感を抱えながらも、誰も口には出しませんでした。密閉された空間の中で誰かの不安が伝染することをそれぞれが配慮したのだと思います。
そして無事に空港に引き返し、着陸した瞬間に周囲からは安堵の本音が漏れていました。
原因は鳥がエンジンに巻き込まれるバードストライクでした。
私たちは翌日の便に振り替えて、再度実家にもう一泊することにしたのですが、トラブルの原因がバード(鳥)だったことに、上空での不安も笑顔にかわり、延泊をありがたく過ごしました。

2017
1/12

年末は広島の尾道経由で島根へ里帰りしてきました。
フライトは夕方の便。飛行機は1時間ほど遅れ、広島空港へ着いた時には尾道へ向かうバスはもう終了していました。そこで別のバスで白市というところまで出て、そこから電車に乗ることにしました。そこから順調に電車に乗って・・・と思っていたのですが電車は85分遅れ。
駅前のお店はもうすべて閉まっていて、コンビニも少し離れたところまで歩かないとありませんでした。一度改札を入ってしまった私たちですが、優しい駅員さんがせめてこっちの方が風があたりませんよと再び待合室に戻してくれ私はモモ上げ、息子はなぜか指名手配のポスターを食い入るように見ていました。
尾道についたのは夜の10時。街の全貌を知らぬままその日は終わりました。翌朝、鼻の奥に突き刺すような鮮度の高い空気と、朝6時になっても真っ暗な尾道の朝の景色は、幕が開ける心の準備をくれたようでした。

2017
1/5

大正生まれだった母方の祖母は初等教育を受けておらず字を書くのがひどく下手だった。
離れて住む娘である私の母や、孫の私たちに時々手紙を送ってくれたのだが、それはいつも母の妹の代筆だった。
その手紙を母が読んでくれるのを聞きながら、代筆をする叔母の横で祖母が手紙の文章を話している姿を想像していた。祖母は汚い自分の字を恥じていたけど、時々そのつたない字で書いてくれる手紙はとても気持ちがこもっていて愛おしかった。
最近、4歳の娘は保育園の男の先生に恋をしていて私に代筆を頼む。私が書いたそのラブレターを娘は意気揚々と持っていくのだが、見た目は私の告白のようになっているので先生と会うとちょっと気まずい。時は平成だけれど代筆を通してデジタルにはない温度のやりとりを思い出した。