2018
10/11
台風は25号にもなっていて、暑くてかなわんと思っていた日々も、蝉の声も、主婦同士の会話の中に消えていた。
長袖の服をあまり持ち合わせてないことに気付くのだが、買いに行くのが億劫でとりあえず息子のパーカーで用を済ましている。
先日、よく出入りする会社のトイレでのこと。
高層ビルの中にあり、いつ行っても綺麗に掃除されているそのトイレ。
視界の右端に、ピンク色が飛び込んできたので目を向けると、一輪挿しに造花のコスモスが挿してあった。
そういえば、こないだ来たときは白い花で、あまり意識をしなかった。
気が付けば10月1日。きっと月ごとに造花を差し替えるのだろう。
造花なオータムン。少し味気ないが“間違い”もない。
月の変わりを造花に教わる今年のオータムン。
2018
10/4
アルバム、手紙、思い入れのある本やレコード、、、そしてランドセル。
実家にいたころ使っていたものばかりでなく、一人暮らしのアパートには置ききれなかったものは全て実家に送り返してきた。置き場所は無限にあったから。
そんな中、男勝りな母が「終活だ!」と言って大胆な断捨離を始めた。
ゴミの日にゴミ袋何杯分なんて優しいもんじゃなく、コンテナをチャーターして、テレビもタンスも服も本も壺も全部いっぺんに。
「ひとつずつやっていてはゴミ処理代も時間もとんでもないことになるから」とのことらしいが、遠隔にいる私はなすすべもない。
隣県に住んでいる姉は何度か実家に足を運び大事なものを救出したそうだが、私のモノは母の裁量でほとんど捨てられてしまったらしい。
底なしにあり続けると思っていた実家のブラックホールは、本当のブラックホールへ沢山の思い出を連れて行ってしまった。残された私は「どうせ旅立つときは身一つなんだから」と自分へ言い聞かす。
2018
9/27
我が家の車は3年ほど前に中古で購入したもので、一度CDを再生すると自動的に車のハードディスクに記憶されるという便利な機能がついています。
なので前の持ち主の音楽がそのまま残っていて、その音楽の種類で小さな女の子がいたんだなとか、顔の見えない持ち主について想像をして楽しんでいました。
前の持ち主は東北の方だったというのを夫から聞いたことがありましたがそれ以外はなにも知りません。
曲の量は結構なもので未だすべての曲を聴いたことはなく、消去の仕方もわからないのでそのままにしていたのですが……。
先日一人で車を運転していた時のことです。自分が聴きたい曲にたどりつくまで適当にスクロールしていると流れてきたのは私も大好きな東北の復興ソングでした。前の持ち主はどんな気持ちでこの曲を聴いていたのでしょう。
思わぬ東北からのおくりものをいただいたようで鼻の奥が熱くなりました。