世田谷区等々力にある1981年創業の伝統的なフランス菓子店。このお店のオーナーシェフ、河田氏は日本のフランス菓子界のゴッドファーザーと呼ばせて頂いても過言ではない方。というのも、数々の人気パティシエがここから巣立っていったのです。
テレビや書籍等の取材がたえない、格調高い有名店ですが、お店の雰囲気はとても穏やかです。店内に一歩足を踏み入れると、重厚な甘い香りとアメ色の優しいランプの明かりが迎えてくれます。入り口左手にはガラス越しに外の街並を楽しめる喫茶スペースが設けられ、その横にはケーキ屋さんとしてはめずらしい、アルコールを頂けるカウンターバーがあります。このような店内空間は本場フランス菓子店の基本スタイル。思わずチョコレートをつまみながらアルコールをちょっと・・・そんな大人の楽しみを味わえるお店です。
黒いショウケースに並べられたお菓子は宝石のように輝いて、まさに芸術品。見ているだけでウットリと溜息がこぼれます。創業当初からのマネージャー、佐藤氏によると「シャーベットまで用意されている店内は、お菓子類全てを用意する事ができる“パティシエ”としての本来の姿である」と、伝統を守る河田シェフの真髄だそうです。
“クリスマスケーキは毎年オーボンビュータンで”というお客様が23年間いらっしゃる理由は、時代の流れに左右されない“ベーシック”を貫いてこられた証でしょう。 |