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2015
6/26

10数年も前の話。当時一人暮らしをしていて毎日満員電車で通勤をしていた頃のこと。とある私鉄の駅付近のマンションにカーテンのない少年が住んでいました。
高架線である上にちょうど駅で減速することもあって、その少年の部屋がとてもよく見えました。少年はいつもオレンジ色のベットに横たわり、テレビか何かを見ているようでした。雨の日も冬の日も晴れの日もたいてい彼はかわらぬ様子でベッドに横たわっていました。
彼が誰なのか、何をしているのか全く知りませんがいつのまにか仕事帰りの楽しみになり、大げさだけど自分のちょっとした拠り所でもありました。先日電車でその駅を通りかかり今頃どうしているんだろうとふと思ったのですが、人の拠り所とは身近な意外なところにあったりするものです。

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2015
6/19

7歳の息子と大好きなサッカー観戦に行った時のこと。注目の一戦だったこともあり会場はすごい人でした。気付くと息子がいません。席がなくなっては!と走って行ってしまったのです。その後、持たせていた携帯電話から電話が。
「ママ、ここへ来て」
「ここじゃわからない。どこなの?」
「ここだよここ!真ん中のあたり」
そうこうしているうちに応援合戦が始まり電話の声が聞き取りにくくなってしまいました。何度電話しても一向に会話はラチがあかず、私のボルテージもサッカーとは別のところでヒートアップ。
そこでメールに切り替えてママは困っているのでとにかく一度出て来い!と伝えると、
『ぼくもないています』と返信が。パンチのあるメールの書き方を彼は案外知っていました。

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2015
6/12

最近の蚊は音がしないね、と友人に言うと
違うよ耳の老化なんだよそれ。と言い返された。
耳が老化すると聞き取りにくい波長の音らしいのだ。そういえば公園に若者がたむろするのを防ぐために大人には聞き取りにくい音のサインを出しているというニュースを見たことがある。黒板をキーキーひっかく音に子供時代は悲鳴をあげたものだ。今は日常に黒板がないからどれくらい不快なのかはわからない。でも「若い」ということは聴覚だけとってみても大人の何倍も敏感で、何倍も色んなことを感じ取っているんだと思う。大人になって久しいけれど、そんな感覚を聞こえなくなってしまった蚊の音で思い出したのでした。

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