教えて!TEAのこと

教えて!日本茶のこと

  • はてなブックマークに追加

VOL.1 深蒸し茶って?

日本茶で「深蒸し茶(ふかむしちゃ)」と呼ばれているお茶をご存知でしょうか?
緑茶の生産量日本一を誇る静岡県(*1)は、比較的日照時間が多いため、茶葉の渋みが強くなります。
そこで、渋みを和らげるために、蒸し時間を通常の倍にして作ったものが「深蒸し茶」です。
 *1:農林水産省 平成22年産茶生産量(主産県)データより

葉アイコン「深蒸し茶」はこうして生まれた!

茶畑イメージ

もともと牧之原台地の煎茶は、苦渋味が強い傾向にあり、市場では山間地のお茶に比べ、評価が低いものでした。
その改善策として、昭和30年代に、蒸し度を長めにする製法が考え出されました。
このお茶が評価を得て、「深蒸し茶」または「深蒸し煎茶」と名づけられました。
「深蒸し茶」とは、その名の通り、お茶の製造工程の最初の段階で茶葉の蒸す時間を、通常の2~3倍かけたもののことをいいます。
(具体例:「普通煎茶」/30~60秒蒸す→「深蒸し煎茶」/90~120秒蒸す)

葉アイコン「深蒸し茶」の楽しみ方♪

お茶の水色

「深蒸し茶」は、急須で淹れれば、深く濃い緑色の水色であり、青臭の少ないまろやかな香り、強い甘みとコクが特徴です。
水色が濃く、浸出溶液に細かい不溶性の浮遊物(茶漉しを通り抜ける小さな茶葉)がたくさん含まれ、水溶性の栄養成分と不溶性の栄養成分の両方を摂取しやすいというのも特徴の一つです。
私たちが普段口にするお茶は、数多くの製造工程・人の手が加わっており、歴史的な製法、茶類の水色の違いなど、お茶の違う一面も想像しながら、「ほっこり」、「リラックス」したお茶の時間を過ごしてみてはいかがでしょう。