起源

キリスト教説とイスラム教説という2つの伝説があります。
キリスト教説
キリスト教説は、牧人カルディの話として有名です。
山羊飼いのカルディが山羊を連れてエチオピアの草原で放牧していると、ある日、山羊が非常に興奮して飛んだり、はねたりしていました。不思議に思って調べてみると、真赤な木の実を食べてはしゃぎ回っていることがわかりました。カルディも試みにその実をとって食べてみると、それは甘酸っぱいおいしい味がし、いつの間にか自分も爽快な気分になりました。これに驚いたカルディは、修道士の元にかけつけ、これを告げたのです。修道士は、不思議な木の実を層院に持ち帰り仲間の僧達にも食べさせてみると、彼等はすっかり気に入ってしまい、秘かに愛用するようになりました。この魔法の実がコーヒーの木の実だったのです。
こうして、はじめは回教僧の眠気覚ましの秘薬として使われ、医者は薬として取り扱っていたのですが、それがいつのまにかアラビア全体にひろがるようになりました。

イスラム教説
「コーヒー・ルンバ(昔アラブの偉いお坊さんが恋を忘れた〜♪)」にあるアラブのお坊さんが主人公です。
13世紀、シェイク・オマールという僧が領主の娘に恋をするという道徳上の過ちをおかしてしまいました。当時は僧と領主の娘とでは身分の差があり、領主の娘に恋をするとはとんでもない話です。娘を誘惑したとされ、その結果オマールはアラビアのオウサブ山に追放されました。彼は山で飢えさまよっているときに、1羽の鳥が赤い木の実をついばんでいるのを見つけます。その実を食べてみると、飢えが癒されて元気になり気分も爽快になりました。その実がコーヒーの木の実だったのです。
その後、オマールは町で疫病が流行したときに、その実を煎じたものを与え、多くの人々を病から救いました。時の王様はこのことを知り、その功績を賞賛。彼にアラビアの族長の称号を与え、聖人として寺院をも与えたといわれています。
その町とは、イエメン産マタリが出荷されていた港「モカ」の町です。

しかし、コーヒーが現在のような嗜好的飲み物となったのは・・・
ずっと後のこととなります。
最初は木の実をそのまま食料として食べたり、実を発酵させて酒を作ったり、そして薬効のある煎汁としても飲まれていた時代があります。薬用として用いられた頃は、豆に日をあてて乾燥させ、石臼で挽いて水に浸したものを火にかけて煮出し、飲用していたようです。
そして、いつの頃か、偶然にも火の中に落ちたいくつかの生豆が芳ばしい香りを放ったことから、焙煎という方法が始まったのではないでしょうか。はっきりとした記録は残っていないのですが、サウジアラビアのメッカ、メジナで初期の焙煎器らしきものが発見されています。また、1400年トルコ、ペルシア、エジプトなどで穴のあいたスプーン型の鍋に長い柄のついた豆煎り器、素朴な素焼きのコーヒーポットや豆挽き器が見つかっています。
エチオピアではコーヒーをボンといい、アラビアではコーヒーの木と実をバン、その飲み物はバンカムといわれていたのですが、豆を焙煎するようになってから、名前もカーファと変化しています。そしてこのカーファが世界各国のコーヒーの呼び名の語源になっています。


伝来
コーヒーの伝来は今から300年前の江戸時代、元禄期の頃であったといわれています。当時の幕府は鎖国政策をとり、外国との交易を厳しく禁じていましたが、長崎に4000坪の扇状の埋め立て「出島」を作り、この地に限って、清国やオランダとの交易を認めていました。1633年から39年まで数次にわたって出された鎖国令に始まり、1853年のペリー来航まで、約200年間に及ぶ鎖国期間ではありましたが、この間に、コーヒーは出島を通して日本に紹介されたと言われています。
ちょうどその頃、オランダは世界貿易の覇権を握り、盛んに交易をしていました。
和蘭東印度会社(オランダヒガシインドガイシャ)が幕府の許可を得て長崎の平戸に商館を設け、わが国と正式に通商関係を持つようになったのは慶長18年(1609年)のこと。その7年前、1602年にオランダは和蘭東印度会社の東洋の拠点をバタビア(現在のジャカルタ)に置き、ヨーロッパへ東洋貿易を行っていました。
またオランダはコーヒーの貿易に積極的に乗り出す一方で、コーヒーの栽培にも意欲的に取り組み、世界各地に栽培適地を探し栽培を試みていました。
1696年オランダのジャワ総督はインドから苗木を取り寄せ、バタビアでコーヒーの栽培を試みたのですが、残念ながらこの試みは失敗に終わりました。
3年後、再度インドから苗木を取り寄せ、バタビア近郊で栽培を再開。今回の苗木は非常によく成長し、ジャワコーヒーの原木となりました。
ジャワからコーヒーが初めて輸出されたのは1711年のことです。アムステルダム向けに500kg程度のものでした。本格的な輸出は1719年に始まり、1743年には1600トンもの出荷量を記録しています。このジャワの苗木は アムステルダムを経て、西インド諸島のマルチニーク島、そして中南米へと伝わっていくことになるのです。
当時、ジャワコーヒーは世界に名を馳せ、和蘭東印度会社も大きな利益を得ていました。オランダの歴史をさかのぼると和蘭東印度会社のモカの商館がコーヒーを大量に仕入れて、初めてアムステルダムに送り込んだのが1640年、実際に商業ベースに載ったのは1660年のことと言われています。
そして日本に伝わったのはもう少し早い時期で、その種類はおそらくイエメン・モカではないかと思われます。


輸入の始まり
実際のところ、コーヒーは、なかなか日本人に受け入れられず、文化元年、蜀山人(ショクサンジン)は初めて飲用した時の感想を「焦げ臭くて味わうにたえず」と書き残しています。こうした経緯から、かのシーボルトは文政9年「薬品応手録」にコーヒーは長寿をもたらす良薬と記し、宣伝しています。
当時の日本にはコーヒー飲用の習慣はなく、オランダやアメリカの領事が着任する際、彼等の生活習慣や食習慣などど一緒に持ち込まれてきました。コーヒーが輸入品目として公式の文書にあらわれてくるのは1866年に調印された「改税約書」からです。この条約により輸入関税が20%から5%に引き下げられ、コーヒーが日本に住む外国人の必需品として認められるようになり、輸入が始まったと考えられます。
一方生産国においてはモカコーヒーに次ぎ、インドネシアのジャワ島で1699年からコーヒーの栽培が始まり、1712年以降ジャワコーヒーは世界の主流となり輸出も拡大していきました。1880年にセイロン、インドで錆病がまん延し大被害を受けたのですが、1908年以降ジャワ島では病気に強いロブスタ産の生産が中心となり、一時期世界を席巻したジャワアラビカコーヒーの生産はごくわずかになってしまいました。


コーヒー物語
花
コーヒーの木はアカネ科の常緑樹。植え付けから2〜3年たつと、雪のように白く美しい清楚な花が木全体に咲きそろい、あたり一面ジャスミンに似た芳香でつつまれます。
実
花弁が落ちたあと、固くて小さな緑の粒の実をつけます。時間をかけて育ち、やがて甘い香りがする真赤な実に熟してきます。美しく熟したみはサクランボに似ていることから、「チェリー」と呼ばれています。
パーチメント パーチメント
コーヒーの実の果皮・果肉をはがすと、パーチメント(内果皮)と呼ばれる固い皮で包まれた一対の種子が向かいあって現れます。よく乾燥させて、脱穀しやすくします。
生豆 生豆
天日でカラカラに乾燥させたパーチメントをはがすと、シルバースキン(銀皮)と呼ばれる薄い皮膜に包まれた種子が顔を現します。この種子を脱穀するとみずみずしい生豆に出会えます。
焙煎 焙煎
生豆を煎りあげると、あの奥深く香ばしい風味が誕生します。生豆の風味豊かな味わいは、この焙煎技
挽目 挽目
生豆の味・香りを抽出するために、ふっくら上手に焙煎された豆を挽きます。細胞の破壊が少なくて、割るように粉砕する方法(ブルックス挽き)や、すり潰すように粉砕する方法(ミル挽き)があります。


豆のこと
コーヒーベルト
コーヒーを栽培(生産)できる地域は、赤道を中心とした北緯25度から南緯25度の間。ちょうど地球に帯を巻いたような範囲であることから、「コーヒーベルト」と呼ばれています。年間降水量にも恵まれていて、強い陽射しがあり、平均気温も17〜24℃程の暑い地域です。さらに土壌は、水はけがよい土地に限られます。標高も大切な栽培条件になっており、低地でも海抜300〜800mあります。1,500から2,000m以上の高地で収穫されたものが、優良品とされています。

モカ(独特の香気と上品な酸味)
優れた香りとさわやかな苦み、コーヒー通の方に好評のすっきりとした酸味。舌ざわりもなめらかな良質のコーヒーで、別名「コーヒーの貴婦人」とも呼ばれています。ほかのどのコーヒーと配合してもよく、またストレートで飲むのもおいしいものです。
酸味=3、コク=2、苦み=3(5段階評価)
生豆生産国=エチオピア

コロンビア(適度な酸味で口あたりマイルド)
コクと酸味に、ほどよい苦みが加わった重厚な味が特長。どのコーヒーと配合してもよくマッチします。(最高ランク品のコロンビアEXのみを使用し、コロンビア大使から感謝状を授与されました)
酸味=4、コク=3、苦み=1(5段階評価)
生豆生産国=コロンビア

ブラジル(苦みと酸味のバランスが絶妙)
酸味、コク、苦みが程よく調和したソフトな味わいが特長。(サントスNo.2、スクリーン#18・17を使用しています。ブラジル規格にはNo.1はありません)
酸味=2、コク=3、苦み=3(5段階評価)
生豆生産国=ブラジル

キリマンジャロ(ストレートに好適な酸味と甘味)
市場で「世界の高級品」と称されている豆。やや強めの酸味が特長。香ばしさの内に、ほのかな甘味を持っています。まさにストレートで味わいたい逸品。(グレードの最高ランク品をお届けします)
酸味=3.5、コク=3、苦み=1(5段階評価)
生豆生産国=タンザニア

コスタリカ(強い酸味とやわらかな口あたり)
高原特有の気候条件に恵まれた良質の酸味が特長です。飲み飽きることのない、やわらかな味わいで、香りも芳潤。(一級品のコスタリカSHBを使用しています)
酸味=3.5、コク=2.5、苦み=1(5段階評価)
生豆生産国=コスタリカ

グルメ・コーヒー(ブルボン種100%)
コクのある上品な苦味と甘い香り、飲みごたえのあるしっかりした味が特長です。(ブラジルで最も高級なコーヒーといわれるアラビカ種の中のひとつで、特に稀少価値の高いブルボン種100%を使用)
酸味=1.5、コク=4、苦み=4(5段階評価)
生豆生産国=ブラジル

マヤポック(芳醇な香りと良質の酸味)
毎日の収穫量が決められている稀少価値のあるブルボン種の完熟チェリーを使用。香り豊かで、やや強めの上質な酸味が見事にマッチしています。
酸味=3、コク=3、苦み=1(5段階評価)
生豆生産国=グァテマラ

ブルックスハワイ(酸味、コク、苦味のバランスが良い)
さっぱりとした中にも酸味、甘味、苦みなどの味わいのバランスが良いコーヒー。(国内では、当社だけの販売です)
酸味=4、コク=3、苦み=2.5(5段階評価)
生豆生産国=アメリカ(ハワイ)

ジャマイカ(ブルーマウンテン連峰産・香り豊かな高級品)
豊かな風味と、酸味・甘味・苦みがバランス良く調和したソフトな味わいの逸品です。(ブルーマウンテンが産出されるジャマイカ島で、カリブの気候に育まれ収穫された良質豆を使用)
酸味=2、コク=2、苦み=2(5段階評価)
生豆生産国=ジャマイカ

ブルーマウンテンNo.1(コーヒーの王様・気品ある味と香りの一級品)
ジャマイカ・ブルーマウンテンの連峰産の大変稀少価値のある豆。酸味・コク・苦みのバランスが絶妙です。(「コーヒーの王様」と呼ばれるブルーマウンテンの中で最も高級なNo.1を使用)
酸味=2.5、コク=2.5、苦み=2.5(5段階評価)
生豆生産国=ジャマイカ

ハワイコナ(なめらかな味と適度な酸味)
ハワイ島の西側、コナ地区で産出される希少価値のある豆。やや強めの酸味と品の良い苦みを持つ、芳潤でなめらかな味で知られる一級品です。
酸味=3.5、コク=3、苦み=3.5(5段階評価)
生豆生産国=アメリカ(ハワイ)

マンデリン(なめらかなコクと上質の香味)
「東洋のシロップ」とも称されるインドネシア・スマトラ島の希少価値のある豆。豊かなコクと苦み、独特の芳潤な香りを持つ、しっかりとした味わいです。なめらかで上質な口あたりが特長。(最高ランク品のマンデリングレード1をお届けします)
酸味=1、コク=4、苦み=4(5段階評価)
生豆生産国=インドネシア

グァテマラ(芳潤な香りと良質の酸味)
やや強めの上質な酸味とコクをあわせもち、ほのかな甘い香りで苦みはマイルド。(グァテマラの中でも一級品と称されるSHBを使用しています)
酸味=4、コク=2.5、苦み=1(5段階評価)
生豆生産国=グァテマラ

ケニヤ・AA(クオリティ)(上質な酸味と独特な風味、まろやかな味わい)
全部で8グレードある中の最高ランクは特に上品な酸味と独特の香り、ふくよかな味わいがあります。(世界のコーヒーベスト3のひとつと称され、西欧諸国で高い評価を得ているケニア産の豆を、ブルックスが独自のルートより直輸入)
酸味=3.5、コク=2.5、苦み=2(5段階評価)
生豆生産国=ケニア

ブルックストラジャ(豊潤な香味・ふくよかな味わい)
酸味、コク、苦みと奥行きのある、冴えてしっかりとした味わいです。(インドネシアのスラウェシ島から直輸入した、アラビカ種の傑作「トラジャ豆」を使用した自信作)
酸味=4、コク=4、苦み=4(5段階評価)
生豆生産国=インドネシア



グレード
等級・格付けの方法は、生産国によってさまざまで、各国が独自の規準を設けて行っているのが現状です。
(赤い文字は当社で使用しているコーヒー豆です)


グァテマラ・コスタリカでは、収穫山地の標高で格付けされています。

生 産 国 呼 称 区 別
グァテマラ SHB(ストリクトリー・ハード・ビーン) 4,500〜5,000フィートの山で収穫
HB(ハード・ビーン) 4,000〜4,500フィートの山で収穫
SH(セミ・ハード・ビーン) 3,500〜4,000フィートの山で収穫
GH(グッド・ウォッシュド) 2,000フィート以下の山で収穫
コスタリカ SHB(ストリクトリー・ハード・ビーン) 3,900〜5,400フィートの山で収穫
GHB(グッド・ハード・ビーン) 3,300〜3,900フィートの山で収穫
HB(ハード・ビーン) 2,600〜3,300フィートの山で収穫
LGA(ロウ・グロン・アトランティック) 500〜2,000フィートの山で収穫


タンザニア・ケニア・コロンビアでは、豆の大きさで格付けされています。

生 産 国 呼 称 区 別
タンザニア AA スクリーン18以上
スクリーン17〜19
スクリーン15.5以上
スクリーン14〜16
ケ ニ ア AA スクリーン17〜18
AB スクリーン15〜16
スクリーン15〜16以下のもの
コロンビア スプレモ スクリーン17〜18
エキセルソ(EX) スクリーン15〜17=輸出用


ブラジルでは欠点数で格付けされています。欠点数とは生豆300g中、混入物を種類と個数で点数に換算しています。(ブラジルでは、コーヒー豆は農産物だから欠点はある、という考えなので格付けにNo.1はありません。No.2が最も良いもので、ブルックスではこれを使用しています)

生 産 国 呼 称 区 別
ブラジル No.2 欠点数4
No.3 欠点数12
No.4〜No.8 欠点数26〜欠点数360




焙煎

浅煎り 中煎り 深煎り
浅煎り 中煎り 深煎り


焙煎の技術
焙煎は生豆の特徴をよく知って、生豆をよく選び個性に応じた焙り方が求められます。熟達した焙煎技術があってこそ、コーヒー豆の上品な甘みを溶かし込んだ良質の苦みと輝きに、充実した味わいが得られます。
一般に、煎りが浅いほど酸味が強く、香りが良いです。そして、深く煎り上げていくにつれて、酸味が失われ、苦味が進行していきます。深煎りになると、香りは少なくなりますが、飲んだ時に、香ばしさがでてくるようになります。
問題は、どの段階で焙煎をストップすれば、その豆の持ち味が最も引き出せるかということです。最高級の豆も、焙煎をまちがえると台無しになります。(ブルックスでは一級品の生豆を高精度なロースターで煎り上げます。コーヒーの個性に応じたコクと味わいを引き出す重要な工程です。ブルックスのレギュラーコーヒーは、生産国別にSHB・EX・AA等とランク付けされた一級品の生豆に、1℃単位、1秒単位でコントロールできる最新鋭のロースター(焙煎機)で丁寧に味作りをしています。)


おいしい入れ方
ペーパー・ドリップ
ドリッパーは1つ穴と3つ穴の2種類があります。1つ穴は3つ穴に比べ、お湯の落ちる速度がおそいため、ドリッパーの側面の傾きを大きくしてあります。それぞれ専用のペーパーフィルターがあります。
新鮮な粉の場合は、あくまでも細く挽き、古い粉を使用する際は、うずまき状に注湯して浸みこませます。
抽出時間の目安は、1〜2人分が1分半〜2分、3〜5人分が2分半〜3分です。抽出時間が長くなる場合は、電気プレートにコーヒーサーバーをのせて行うと良いです。
ドリップ中、粉から泡が出ているのは、味と香りがでている証拠です。泡が白くなると抽出完了になります。
  1. ペーパーフィルターのミシン目を互いちがいに折り曲げ、ドリッパーにセットします。
  2. セットしたペーパーフィルターは1回目の注湯のときに湯を吸収しやすくするために熱湯をかけ、ドリッパーに密着させます。同時に器具を温めます。
  3. 中挽きから細挽きぐらいのコーヒーを人数分入れます。
  4. 熱湯を粉全体に行きわたるように静かに注ぎ、コーヒーの粉が蒸れてふくらむのを待ちます。
  5. ふくらみきったら2回目の注湯を行います。
  6. 3〜4回に分けてお湯を注ぎ入れます。

サイフォン
サイフォンで入れるコーヒーは、慣れてしまえば個人差なく、均一にできます。また、動きがあって華やかです。欠点は抽出後長くおくと酸化することです。豆は中煎りを細挽きにします。初心者の場合は、低温抽出やろ過時間のかかり過ぎ等で、コーヒーが濁ることがあります。やや深煎りの粉を使うと解消します。
フラスコが汚れたとき、クレンザーなどでみがかないこと。少しでも傷がつくと破損します。フィルターは乾燥させないように水につけておきましょう。酸化を防ぎます。
  1. 抽出前に、フィルターとスプリングの点検を兼ねて、一度湯だけで行ってみます(スプリングがゆるいと、ロースト内で粉と湯が踊ってしまう)。
  2. カップですりきり1杯(ろ過されるとカップ8分目になる)の水を沸騰させてフラスコに入れる。
  3. フラスコのまわりに火が出ないように調節してランプを当てる。
  4. フラスコの湯が沸騰したら火をはずし、コーヒーを入れたロートをねじるようにしてフラスコにさしこむ。再び火にかける。
  5. ロート内に湯が上昇したら、へらで上部を軽くほぐす。20秒後にもう一度ほぐして火をはずす。ここでコーヒーがフラスコにろ過される。スムーズに落ちない時は、冷たいぬれタオルでふく。ほぐす回数は、1回目が7、8回。2回目は5、6回が目安。
  6. 3〜4回に分けてお湯を注ぎ入れます。

ネル・ドリップ
ネル・ドリップは、コーヒーの味を求めた場合最良の方法といえます。というのは、苦味、酸味等の好みに、すべて対応できるからです。ペーパー・ドリップと似ていますが、フィルターを洗う手間がかかります。しかし、ネル・ドリップ独特のおもしろさもあります。
  1. 注湯の前に、ネルに必要量の粉を入れ、軽くふって表面を平らにする。中央に浅いくぼみをつくる(湯を全体に浸み込みやすくするため)。
  2. 口先ができるだけ細く長いポットの先を、くぼみの中心に近づけ、静かに、細く、粉にのせるように湯を注ぐ。くぼみの外には湯を注がない。全体に湯が浸み込む程度が適量(15%程度)。
  3. 粉が湯を吸ってふくらんでくるのでしばらく放置する。
  4. ふくらみが最大になったところで2回目の注湯をする。この時の注湯量は25%。湯を落とすスピードは、1回目よりはやく、まっ黒なコーヒーのエキスが抽出される。注湯を終えると、粉は中央部がへこむ。
  5. 粉の中央が陥没する前に、3回目の注湯(35%)をする。
  6. 3回目と同様に4回目の注湯(45%)をする。ただし、注湯量の半分をネルの中に残したまま、ビーカーから外す。これは、泡の中にある、あく、不純物を抽出するのを防ぐためです。

エスプレッソ
エスプレッソは、蒸気圧を利用した熱湯噴射式の器具です。特徴は、瞬間的にすばやくできあがることです。風味より苦味が強く感じるこのコーヒーは、デミタスカップで飲むのが普通です。粋なイタリア人は、角砂糖を1つ入れ、スプーンでさっとかき混ぜて、一気に飲みます。
用意する器具は、人数に合わせたエスプレッソの器具だけ。器具が大き過ぎると蒸気圧が弱くなり、抽出できないことがあります。豆は、深煎りの細挽きです。
  1. 下部のポットに人数分の湯を入れて、上のバスケットに粉を入れてセットする。
  2. 上部ポットをのせ、蒸気がもれないようにきつくしめる。火にかける。
  3. 下部ポットの湯が沸騰すると、湯は粉のところまで噴き上がり、上部ポットに抽出液がたまる。
  4. 下部ポットの湯がなくなったら火からおろし、温めたデミタスカップに注ぐ。

水出し
一滴一滴に、たっぷり時間をかけて抽出する水出しコーヒーは、深い味わいと香りで、リッチな気分にしてくれます。豆はブレンドしてない、上質の深煎りを使用します(浅煎りは酸味が出てきます)。挽き方は、できるだけ細かくして抽出効率を高めます。抽出に8時間位かかりますが、一度セットしてしまえば、そばについている必要はありません。
  1. ロートに水出し用のフィルターをセットします。
  2. ロートに人数分の粉を入れ、軽く押し固めるようにします(竹ベラやスプーンを使うとよい)。
  3. 点滴の水を粉全体に浸透させるため、粉全体に水を浸み込ませておきます。丸口紙を粉の上にのせて利用する方法もあります。
  4. <水タンクに水を入れ、滴下速度を調整しながら、調整コックを開きます。
  5. 抽出後は、そのままアイスで、または温めてホットでいただきます。好みで、水や粉の量、抽出時間を調整します。

ボイリング
ボイリングは、とても単純な方法です。それだけに、ちょっとした手加減で、味に違いが出てしまいます。
  1. ポットに人数分の熱湯を入れる。
  2. 厚手の手なべに人数分の水を入れ、沸騰させる。
  3. 火を細め、1人分10g強のコーヒー(荒挽き)を入れて静かに攪拌する。
  4. 静置して2分位後にフィルターでこす。

パーコレーター
パーコレーターは、アメリカでは、西部開拓期から使われ、1950年代の一般家庭で普及しました。開拓時代には、カウボーイ達が暖をとるために飲まれました。薄めのコーヒーをたくさん作り、ストーブの上で保温して飲んでいました。
  1. ポットに人数分の熱湯を入れる。
  2. 荒挽きのコーヒーを人数分(1人10g 強)バスケットに入れる。
  3. 1.が沸騰したら一度火を止めて2.をセットする。
  4. 弱火で再加熱する。長時間火にかけておくと、飲めないほど煮つまってしまいます。挽きはグラニュレーターが最適。



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